熟年期に「リセット」して夫婦関係をリフレッシュしよう

「何も熟年になってまで、セックスにこだわらなくても、いいじゃないか」という人もいるでしょう。むしろ、こちらが多数派かもしれません。たしかに、人間も動物の一種と考えると、熟年期には生殖の時期がすでに終わっているわけですから、もうセックスをする必要はなくなっています。ですが、人間は唯一、愛情表現やコミュニケーションのためにセックスをする生き物でもあります。夫婦ふたりに残されたたくさんの時間を、より親密にすごすためには、セックスという性的コミュニケーションを実践することは、きっとプラスに働くでしょう。お互いの素肌に触れあう習慣を忘れずにいることで、長い老後を仲睦まじくすごせる可能性もいっそう高まります。

では、これまでセックスを楽しいと思えなかった人たちは、この素敵な熟年ライフを諦めなければならないのでしょうか?そんなことはありません。実は、身勝手な愛撫を我慢してきた女性たちにとって、熟年期はパートナーに変化を促す最後のチャンスなのです。セックスの最中、こんなふうにいってみましょう。

「閉経して女性ホルモンのバランスが変化したせいか、セックスのときの感じ方が前とは変わってきたみたい。いままでどおりだと痛いから、触れ方を変えてほしいの」「お互いもう若くないんだから、無理のない新しい体位をふたりで考えましょうよ」。女性は閉経を迎える前後から、生殖の時期が終わったことを身をもって知らせるかのように、膣や子宮などが大きく変化します。女性の身体は男性にとってミステリアスに映るのか、若いころはなかなか理解できないようです。しかし熟年期に入ると、男性も女性ほど劇的ではないものの、ゆるやかな坂を下るように体力が落ち、身体が思うように動かなくなっていきます。ともに老いてきた女性の身体も労ることができるようになっているでしょう。

これまでの楽しくなかったセックスは、一度忘れてください。若いころにどんなことをしていたかはさておき、″いまの私とあなた″にとって、いちばんいいセックスを一緒に考えてほしいと女性から提案しましょう。お互いの身体と気持ちを思いやる余裕ができる年齢になって初めて、心が通じ合うセックスが実現するとしたら、それはとても素敵なことだと思います。熟年期を迎えたのを機に、一度リセットすれば、その先に10年、20年と楽しい夫婦生活が待っているのです。

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